一読してみたかぎりでは、エッセイ風で本全体の構成がよく見えない。参考文献一覧もないし、訳者解説もないので著者がどんな人物かもよく分からない。ちなみに、ベルクの引用はない。しかし、この指摘はお勉強になった。「贅沢取締令は、伝統的な工法に対応した形態や寸法が建材総括となっており、工法上の規則を幻覚に守るように矯正した」(218頁)。「明治維新で封建的な障害や社会的な職業上の公式のカテゴリーがなくなり、またそうした社会的カテゴリーのけじめをつけるためだった贅沢取締令が廃止されても、大工たちは先祖から伝わる工法を忠実に守っていた」(218-9頁)。というわけで、日本の家屋が規格化されているわけですな。
- 作者: ジャックプズー=マサビュオー,Jacques Pezeu‐Massabuau,加藤隆
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 1996/12/01
- メディア: 単行本
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