基本的な理屈が同じなので全部読み通すのにはいささか退屈したよ。基本はこのラインにあるのだな「だが日本の文化的自由主義は、文化的ではあるが決して自由主義としては貫徹していないと云わねばならぬ。と云うのは、夫と政治的自由主義との間に現在何も関係がないのへ別としても、この文化的自由はそれ自身の政治的追求とさえ何等の関係もないのだ」(414頁)。とはいえ、家族主義のアナロジーは批判されるし、日本の近世、ないしは近代思想の転回点になったと思われる文献学(解釈学)が批判の俎上に載せられているのである。
- 作者: 戸坂潤
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1977/09/16
- メディア: 文庫
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