「舞子はレディ」

 字面だけでは気づかなかっけどが、これ、口にしてみると「マイ・フェア・レディ」の音をなぞってるじゃないかと思ったら、実際に「マイ・フェア・レディ」だった。周防監督らしく舞妓さんになるまでの次第を丁寧に取材して、それをミュージカル仕立てにしたのであろう。「マイ・フェア・レディ」だけでなく、「パリのアメリカ人」を思わせるようなMGMへのオマージュもあったりして(最後は「シャル・ウィ・ダンス?」ですよ)、筋立てとしては楽しい。
 けど、どうしてもみんな踊れてないってのがひっかかってしまう。まずすり足が無理なんだな。足下を映さなかったり、映してもすぐ切ってしまうけど、上半身だけでも踊れてないというのがありありと分かってしまう。やはり踊るときは全身、できればワンカットで見たいと思うのだが、これはあえてそうしていないんだよね〜。
 着物姿が似合うのはやはり富司純子かな。高嶋兄のボケ役はいいんじゃない。最後に津川雅彦が出てきていささか引いた。あのポスターは俳優としてのイメージを下げてるよ。それから、京言葉の習得というストーリーなのだが(盆地がなんたら、スイマセン、覚えられませんでした)、それよりも最初に出てくる鹿児島弁と津軽弁をミックスさせてしまうほうがよほどスゴイと思うのだが---。入りがあまりよくないのかな。それなりに楽しめる映画なのに。