人権という幻

 ご本人の来歴もすごいし、中身も読み応えがある、識字というきわめて身近な問題から、「外国人」という「国民」の「外側」に出る問題まで、「同心円」状に広がる様々な具体的な問題を「人権」という得てして抽象的な話に流れがちな話と結びつけながら、憲法理論や憲法解釈と日常の諸問題の往還運動が行われる。「幻」という言葉に、石牟礼道子があるいは渡辺京二が語った水俣病闘争の行方を重ねてしまうのは私の読み込みすぎだろうか?
 

人権という幻: 対話と尊厳の憲法学

人権という幻: 対話と尊厳の憲法学