もういちど憲法を読む

 樋口『憲法』の副読本に使えますね。樋口先生は、社会的権力からの自由という文脈で法人に個人と同じように人権を認めてよいのかという議論をなさっています。しかし、JR西日本や今回の東電の例を考えれば、問題は会社トップの予見可能性という話になっており、法人の責任が問えないようになっています。たとえば、政治献金が、個人同様、法人にも認められるのであれば、法人にも同様の責任能力が認められてしかるべきなのではないでしょうか。企業の社会的責任(CSR)とか言いつつ、この辺は全然駄目ですよね。それから、この時期、すでに憲法を正戦論的に解釈するかしないかというような議論を展開していたのですね。