ラ・ラ・ランド

 評価のわれる『ラ・ラ・ランド』見てきた。最近、花粉症もあって映画館行っても寝てばかりなのだが、これなら寝ないだろうと。音楽にかかわる点を保留したうえでかなりよい映画だと思った。『セッション』と同じ監督なんですね。また、あのオヤジもでてきた。また、ジャズでつまづくとはなんか因縁深いな〜
 まず、最初の「シネマスコープ」と広がっていくのが、ミュージカル黄金時代を思わせてまずよい。で、はじまったのが渋滞する高速道路で、ああやっぱりセットじゃやれないよなと思ったら、この高速道路でのダンスシーン、ワンカットで決めたね。その後も、最初はワンカットを多用してましたね。まず、ここでMGMミュージカルへのオマージュを感じてちょっとぐっと来てしまう。
 ただ、その後はあまり踊らない。今どきのミュージカルじゃこの程度になるのかな。人物設定見ていて、これ、スコセッシの『ニューヨーク・ニューヨーク』みたいな展開になるんじゃないかと思ったら、ほんとにそうなった。で、ちゃんとパリという話がふってあった。絶対パリの話はでてきてほしいのよ。
 で、「もしもーーー」のありえない回想シーンではわずかだけどセットで作ったパリで踊るシーンがあってMGMミュージカルの最高到達点『パリのアメリカ人』が引用されてくるわけですね。で、このありえない回想を経て、最後に目が合って終わる、と。
 ただ、あの終わり方は『セッション』と同じだね。いささか無理のある、べたな終わり方。あれは、どう考えても『ニューヨーク・ニューヨーク』(ライザ・ミネリでてます)の方がかっこいいんだよな。それも電話を使うなんて『スター誕生』(ジュディ・ガーランド出てます)を思わせる。そうは言っても楽しい作品でした。ただ、あれで終わるなら『セッション』同様、もう一回見たいとは思わないんじゃないかな。