きっとボクと同じ頃のそこそこそこの映画好きはきっとこんなことをしていたんじゃないかと思う。高いな高いなと思いつつ、『ヒッチコック/トリュフォー映画術』を購入して、いったん通読して、それからはテレビでヒッチコックがかかるたびに映画を見ては、答え合わせのようにこの本を読んでどれくらい仕掛けがわかったかを確認する。
また、私がガキの時分はヒッチコックはもちろん、フォードやホークスがテレビでかかる時代ではあったのだ。できれば、映画館で見直したいものだが。映画監督になるような人たちは私の比にはならないくらいこの本の頁をめくりまくったんだろうな。
この映画は、ヒッチコックとトリュフォーのやりとりを交えながら、ヒッチコックの映画の一シーンをめぐった様々な監督が作品への思い入れを語る。時間的には短いような気もしたが、もとの分量を考えれば、こんなものなのかもしれません。やはり、思い入れが一番出てくるのは『サイコ』と『めまい』ですね。私は『めまい』派ですが。
さて、クライマックスの連続で見せるようなハリウッド映画は、ものによっては嫌いじゃないけど、いまこんな風に楽しめどれくらいあるのかなと考えるとちょっとさびしくなる。