『青年期の本質』

 で、この研究領域では必読文献であるということをよ〜く分かっていたはずなのに、今ごろになってこの本の頁をまともにめくってみている。しかし、ちょっと読み出してみただけで、この本から得られる示唆はいろいろありそうだと期待大。
 彼らの知見によれば、青年期の過程を見ていくと、年齢とともに対人関係に対する態度が変化していく一方で、異なった問題に関する関心も異なる段階でピークを迎える。この焦点モデルが示唆するのは、

彼らは一度にひとつの問題を扱うことによって対処しているというものである。彼らは、順応の過程を何年ものスパンへと拡張し、まずひとつの問題を解決し、次に別の問題に向かう。さまざまな難問、つまりさまざまな対人関係の問題を異なる段階で焦点化して取り組むので、新しい行動様式に順応するために必要な種々のストレスは、ほとんど一度に集中しないのである(19-20頁)。

そうすると、たとえば成熟が遅いなど

どんな理由であれ一度に2つ以上の問題に対処する人たちに、問題が起こりやすいと言える(20頁)。

でも、若者は問題にたいしてただ受け身なわけではない。

大半の若者が自分自身の青年期の移行を調整していると示唆することは、大変現実的である。彼らの大半が、ひとつの問題を押しとどめる一方で、別の問題に取り組んでいる。多くの者が、自分は何に対処できて何に対処できないかを感じとっており、本当の意味で、自分自身の発達の能動的な主体になるつもりでいる(23頁)。

青年期の本質

青年期の本質

しかし、オレは何者なんだ?