森達也『いのちの食べかた』

 映画の延長として、来年度の予習として、手始めに手にとった一冊。読んでみたら、「牛や豚がと場で殺される理由は、僕らが食べるからだ。ところが僕らは彼らの哀しみを知らない。見て見ないふりをしてきたのだから」(68頁)というところから、話は意外な方向に反れていく。でも、ホントはそれが意外でも何でもないってことが分かるはず。「僕たちはいろんなものから、気づかぬうちに無意識に目をそらしている」(119頁)。
 そういえば、以前、辺見庸が犬猫の殺処分場を取材した『世紀末の風景』というドキュメンタリーがNHKで放映されたはずなのだが、あれってもう一度見ることはできないのだろうか?本にもなってたような気がする。『不安の世紀から』だったっけ*1

いのちの食べかた (よりみちパン!セ)

いのちの食べかた (よりみちパン!セ)

*1:

不安の世紀から (角川文庫)

不安の世紀から (角川文庫)