1968年

 『革命的な、あまりに革命的な』の焼き直しだと思ってこれまで読んでなかったのだけれど、必要が生じて読んでみたらずいぶんと違っていた。ベ平連の背景にソ連の影を読み込み、さらに全共闘ベ平連の親和性をその非-市民的性格から説明。華青闘告発がもたらした新左翼アイデンティティ・クライシス(脱主体化)とその帰結としての内ゲバ。あるいは、新たに実践を媒介するために導入される偽史。と、さらにそこから帰結する右翼と左翼の曖昧化、左翼のサブカル化。
 偽史的想像力ってのはなるほどって感じ。でも、個人的にいちばん興味を惹いたのは最初の部分かな。こうなると、いま市民市民とか言ってるのはなんなのでしょうねってことにもなりますね。

1968年 (ちくま新書)

1968年 (ちくま新書)

革命的な、あまりに革命的な―「1968年の革命」史論

革命的な、あまりに革命的な―「1968年の革命」史論