だが、「正しい」というだけでは、ダメなのだ。

 来年のゼミのテキストに、反応もあわせて赤木のこの評論を使ってみようかと思っていたのだが、赤木智弘「『丸山眞男』をひっぱたきたい」(『論座』07年1月号)によせた高橋源一郎の一文の一節(『SIGHT』07年33号)から*1

本人は食うものにも事欠いていたのに、啄木は、「青年」たちは「明日」や「未来」について考察するべきだと主張した。世界がバカだからといって希望を失ってはならない、絶望はやつらの思うつぼだ、力のない青年たちの唯一の武器は、考えることだ、と説いた。そう書いている啄木の背後では、奥さんが腹を空かした子どもを抱えて、泣いていたのである。

*1:考えようによっちゃ『エヴァンゲリヲン』ってそういう話かもしれませんな。