アート

セザンヌ主義

仕事に復帰する前に横浜美術館のセザンヌ主義に行く。まだ松の内だが、セザンヌ展ではなくセザンヌ主義だから、それほど混んではいないだろうという読みもあった。実際、そこそこの入りという感じ。でも、これがなかなか面白かった。 実のところ、セザンヌの…

NUBA

前々から欲しかったんだけど、(高そうだし)まあ入手できないだろうと思っていた、レニ・リーフェンシュタールの有名な写真集The Last of The Nubaを格安(って言ってよいと思う)で入手できてしまった。もちろん、古本ですが。で、記念にここにそれを記す…

ヴィルヘルム・ハンマースホイ

人づてにいいよと聞いていたので、上京したついでにホントにすべりこみで見てきた。たしかに、これは行く価値があった。まずは、人はもちろん、家具すらおかれていない部屋を描きながら、その描かれた空間に惹きつけられというのがなんとも不思議。その絵に…

「版」の誘惑展(名古屋市美術館)

版画にかぎらず、版のイメージから連想される作品を集めてならべていったもので、冒頭からジョン・ケージの版画があるわ、鏡を版木に利用した作品とか、人型を使った作品、網膜を印刷媒体に見立てた作品等々、様々な「版」が展示されるなか、版の逆をいくよ…

岡本太郎『今日の芸術』

アートをとりまく状況は、当時(原著1954年)と今ではかなり変わってしまっていると思うし、だからまた、加えて考えるべきことはあるのだろうけれど、でも、まだこの本は有効だと思う。文庫解説の赤瀬川原平のことばはよくそれを示している。「たしかにこの…

「魂のおきどころ/アンカー展」

劇場からちょっと歩いたところに松本市美術館がある。その目の前まで来て、そういえば、松本市美術館には草間弥生の常設展ができたんだということを思いだした。目の前にでかいオブジェがあるんだから、あまり思いだしととは言わんでしょうが。たまたま開館…

メメント・モリあるいは「氷の世界」:『ゴス展』

横浜美術館の『ゴス展』へ行ってみた。最近の横浜美術館の企画は、市長が代わったせいなのか、ウケねらいに走った企画が多すぎるような気がしていて、これもそんな気分のまま見に行った。ゴスってなんだかよく分からないし、まあよい機会かと。ところが、こ…

『写真0年 沖縄』−名古屋展シンポ

けっきょくへたって上京しなかったので、近所でやってる『写真0年 沖縄』-名古屋展のシンポへ行ってみた。遅れていったので『島クトゥバで語る戦世』から見たのだけれど、このドキュメンタリーを見て感じたのは何よりも、うちなわぐちってこんなにも分から…

ギュウとチュウ

赤瀬川原平の『全面自供!』を読んでたら、この二人の名前も出てきて、どんなことやってんだろうと思ったら、近々豊田市美術館でやるというではないか?でも、気づけば終了目前。今日を逃すと行く日がないということで、早めに仕事を切り上げてでかけてみた…

ムンク展、サイレント・ダイアローグ

上京二日目の午前はムンク展に行ってみることにした。東京で美術館へ行くと、とても見た気になれないほど人がわんさかいるのがしばしばなわけだが、日曜のわりには思ったほど混んではいなかった。まあ、たしかに『叫び』は来ないし、展示されている少なから…

名古屋でも「写真0年 沖縄」

やっと沖縄に美術館ができて、その関連イヴェントとして「写真0年 沖縄」というのが開催されたらしいのだが、名古屋でも「写真0年 沖縄」−名古屋展がある。22日には関連イヴェントも。行きたいなーと思うのだが、またもやこの日名古屋にいるかどうか問題…

岐阜県現代陶芸美術館

招待券を手に入れ、何となく気になるので、岐阜県現代陶芸美術館*1の「じゃんけんぽんの考え方 勝ち負けのない共存」へ行ってみることにした。ネーミングはちょっとあれなのだが展示そのものはとても面白かった。そもそも陶芸というとどうしても何百年前の織…

「大竹伸朗 全景」その後

昨年末「大竹伸朗 全景 1955-2006」を見に行ったときに図録の購入予約をした。図録の予約なんてめったにすることはなく、せいぜい次にその美術館に来た機会に面白そうなら買えばいいやって感じなのだが、重さ8キロくらいになるとかいうフレコミだったので、…

黒川紀章の建築

12日、黒川紀章が死んだ。あれ随分痩せたなとは思ってたけれど、選挙に出たりしてまだまだ若いなーと思っていた矢先の死だったのでちょっと驚いた。晩に某国営放送で追悼番組をやっていたのだが、黒川が若い頃会議で訪れたロシアを再訪するという趣旨の番組…

石田徹也

先週の『AERA』で紹介されていた故石田徹也の作品ってちょっと面白そうですよ。 石田徹也遺作集作者: 石田徹也出版社/メーカー: 求龍堂発売日: 2006/05/01メディア: 大型本購入: 6人 クリック: 134回この商品を含むブログ (100件) を見る

赤瀬川原平 全面自供!

ふと見かけて購入。上京している合間に読んだ本。やはり、千円札裁判のあたりが一番おもしろかったかな。とくに法廷でのハプニングは楽しすぎ。でも、他方で、彼のあのお遊び感覚って、80年代、バブル的なものに直結しやすかったのかなという思いも。 お札…

森村泰昌 美の教室、静聴せよ!

いくつかの所用があって上京した谷間の1日は横浜美術館にあてることにした。じつは、本こそ読んではいるが、森村泰昌の個展はおろか、作品すら直に見たことがなかったのだ【訂正:よく考えたらいくつか見たことがありました】*1。というわけで、出かける。 …

舟越桂の作品を見ていたら、なぜか『クリムゾン・キングの宮殿』のジャケットが思い浮んだ

金曜日は8時まで愛知県立美術館が開いているので、6時を過ぎてから行ってみた。この時間だと空いてるし、もう終わったような静かな感じがいいのだ。いまだと「20世紀美術の森」という企画をやっている*1。愛知県立美術館は、岐阜、三重の県立美術館と連携…

おひるねハウスにて

学期中の疲労がなかなか抜けずに難儀しているのだが、ようやっと余裕が出てきたので少しは骨休めとうことで、吉良温泉に泊まって佐久島へ行ってみた。吉良は全国的な知名度は低いけれどなかなかよいところで、三河というと徳川家康がらみで連想するのはどち…

NARA:奈良美智との旅の記録

しかし、夜一回のみの上映だというのに大した入り。この時間のこの映画館でこんなにたくさんの人を見たのは初めてだ。で、その映画だが--- 正直のところ、ホーム・ムービーみたいなノリに退屈した。もっと作家を挑撥し、切り込んでいくようなところがみたか…

ウムハイムリッヒなもの:大竹伸朗全景 東京都現代美術館

今回は東京で研究会があり、とある書籍の合評会のコメンテーターを頼まれてお仕事をしてきたのだけれど、翌日はこの機会にといくつか美術館その他を回ることにした。考えてみれば、9月末に奈良美智に行って以来だ。というわけで、ちょっと楽しみ。最初に行…

奈良美智+graf A to Z

学期も始まっているというのに大慌てで奈良美智 with Graf A to Zへ行ってきた。せっかく弘前へ行くのだから市内をゆっくり回りたかったし、青森の友人に会えたりするとよかったのが、今回は断念。また、夜行で入って飛行機で出るという行程を組んだので(と…

越後妻有アートトリエンナーレ

私にとってこの夏唯一といってもよい娯楽イベント、ということで、新潟県十日町市一帯、妻有地方で行われる美術イベント、妻有トリエンナーレに行って来ました。しかし、新潟は遠い。現地で車を借りることにしたら、行きは夜行バス、帰りは6時間の汽車の旅…