ウルトラミラクルラブストーリー

 多分、商業映画第一作目ということになるんだろうけど、前作に続いて横浜聡子ぶっとんでるなー。たしかに、これはウルトラミラクルだ。もっとも、ぶっ飛んでる演技ということでは、松山ケンイチを言上げするべきなのだろうけれど、個人的な思い入れとしてはやっぱり麻生久美子はいいなー。
 野暮な話になるが、ちょっとだけ理屈をつけておけば、精神遅滞のようにも見えるようじんを前に、「自分には「両思い」の彼氏がいる」と認める町子の彼氏かなめは、他の女とデート中に交通事故にあってすでに死んでおり、そのクビだけがみつかっていない。そんな町子の思いをえようと農薬を浴び続けるようじんは(見てない人にはわけがわからんと思いますが)、農薬のせいで心臓が止まっても死なないのに、町子が「脳みそなんかいらない」とぶっとんだようじんをそのまま受け入れた(かのように少なくともようじんには思える)言葉を口にされると、死んでしまう。つまり、「両思い」は相手がいないときにだけ訪れる。でも、この「両思い」はこれだけじゃ終わらない。さらに、ようじんは遺言で彼の首ならぬ脳みそを町子に残す。この脳みそで町子が森で園児たちと遊ぶ(町子は幼稚園の先生だ)前に熊が現れると、町子はその熊にようじんの脳みそを投げつけ、熊はその脳みそを食ってしまう。まさに脳みそなんか要らないってわけで、これが愛だというなら、そりゃウルトラミラクルでしょう。