先日の感想に同じ。『「野宿者襲撃」論』を読んだとき、この人ってどんな道筋をたどってきた人なんだろうと思ったのだけれど、この本を読むとそれも分かる。
それから、ちょっと話が少しずれるが、ボクは社会のなかにある程度の不平等が生じてしまうことは、一切の能力主義を否定しないかぎり避けようがないと思っている。しかし、それには限度があるし(まともに食えなきゃ話にならないでしょう)、不平等の源泉が運不運に大きく左右されてしまう社会というのはまともな社会じゃないと思っている(というか、それは社会ともいわないのかも)。
たとえば、就職する時期の景気だけで個々人のその後の人生経路の大半が左右されてしまうような社会はまともだと思わない。同じ労働をしているのに労働条件が違うことに何の疑問も感じないでいられる人たちばかりの社会をまともだとは思わない。そして、こうした条件下で、他人と自分を見比べてはルサンチマンを膨らませていく人が増えていくのは極めて自然な流れだと思う一方、そうした状態が放置されていることは極めて不健全なことだと思う。
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