ハンナ・アーレント

 映画的にはいまいちなんじゃないかと思うんだが、なにしろ最大の見せ場が最後のアーレントの講義(演説)である、でも、アーレントの思索に触れるにはよいのではないかと思った。「凡庸な悪」って世の中に溢れていると思うから。アタマの方で、米国での亡命ユダヤ人サークルが映し出され、そこには旦那のほかに、ハンス・ヨナスがいて、メアリー・マッカーシーがいる。アーレントは露骨にドイツ語なまりだ。夫婦ではちょっとしたフランス語も。ちなみに『人間の条件』の原書自体がとてもドイツ語的な英語である。それから、ニュー・スクール・フォー・ソーシャル・リサーチも、ハイデガーとの関係も出てくれば、そもそもこの裁判の「奇妙さ」についても触れられている(なぜ、イスラエルに裁く権利があるのだろう?)。そして、イスラエルには家族同然の友人がいる。東京じゃ相当の入りとか。パンフレットも売り切れでした。
http://wan.or.jp/reading/?p=12751
 

イェルサレムのアイヒマン――悪の陳腐さについての報告

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今こそアーレントを読み直す (講談社現代新書)

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