やはり、おさらいしておくべきかと。ルーマンは、リスク/安全という区別を採用する代わりに、リスク/危険という区別を採用して、リスクを決定にかかわる帰属先の問題として扱う。やはり、これは、現状を鑑みるときリアルだな。
リスク/安全という区別が用いられる場合には、リスクの概念は、対象世界のある事象の属性と関連づけられる。---。このように、対象世界における「何が」の水準でなされる観察を、ルーマンは「ファースト・オーダの観察」と呼ぶ。
さて、これに対して、こうしたファースト・オーダーの観察者たちを観察する「セカンド・オーダーの観察」の水準に位置する観察者の場合には、ある観察者が将来に起こりうる村外を「どのように」観察したり説明したりしているのか、ということに焦点があてられる(観察の観察)。そのさい、このような未来の損害の可能性を説明するにあたって、二つの方途がある。一つは、未来の損害の可能性が、みずからでおこなった「決定」の帰結とみなされ、そのような決定に未来の損害が帰属されるという場合であり、もう一つは、そのような未来の損害の可能性が、自分以外の誰かや何かによって引き起こされたものだとみなされ、そのゆに帰属される場合である。ルーマンによれば、未来の損害の可能性がリスクであるとされるのは、いまのべた前者のケースであり、後者の場合には、未来の損害の可能性は、危険と規定される。敷衍して言えば、未来において起こりうる損害が自分自身のコントロールの及ばない原因に帰属される場合、またその場合にかぎり、「危険」が問題になる。---。リスク/危険という概念は、将来的損害を説明するためのタームであり、ベックが考えているように、たんにリスクや危険が決定に依存して言えるという事態だけを言い表しているのではなく、帰属の差異を問題にしている。したがって、将来の可能性をリスクとして描写しそのことによって損が小野責任を当事者に帰属させようとする戦略もまた、このタームによって描写可能となる(31-2頁)。
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で、本来、次はこのあたりということになるのだが---。
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日本の原子力政策の一端について