平和憲法の深層

 まず、明治憲法と日本憲法は外形的にはよく似ているとということ。極東委員会を意識してGHQは憲法草案要綱の成立を急いだが、これは天皇東京裁判から守るためであり、この憲法改正にあたっては勅語もでている。「戦争の放棄」条項に「交際平和を誠実に希求し」とあるのは、国会での社会党の努力によるものである。そして、同様の内容は、ポツダム宣言受諾後の勅語にも見出されるということ。憲法研究会の憲法案は、政府は知らずとも、GHQにはそれなりに大きな影響を与えているということ。政府の憲法案が、GHQ案で由来するものであることは、国会議員の大半が知っていたと思われること。

平和憲法の深層 (ちくま新書)

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