知の歴史学

 「何が真であるかということ以前に、何が真あるいは偽となりうるのかが問題になっている場面である。それを理解可能なものにするためには、新しい推論の習得が必要とされる。つまり、いかに推論するかを学ぶという種類の理解の仕方があるのである」(339頁)。「ある特定の推論のスタイルによって導入された、ある特定の種類に属する文が真であることは、そのスタイルを用いた推論によって「見出される」事柄である。だが、そういった種類の文は、それを導入したスタイルが設定した文脈の中でなければ、そもそも真ないし偽の候補として通用しないようなもののはずである。つまりスタイルは、自分で自分にお墨付きを与えるような「自己保証的」な性格を持っている」(378頁)。

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