ジラールとデリダ

 この説明はよく分かる。

共同体は自身で犠牲者を聖なるものにすることで生みだした起源を仮定しているのである。処女発生によってではなく、遡及的発生によって、自身が生みだした起源を自身のものとすることによって、共同体は自身を生みだしたのである。
 出来事にたいするこのディコンストラクションによると、聖なるものは、共同体が(自身の)起源について維持している幻想、さらに儀式的供犠によって共同体を維持する幻想に他ならない(22頁)。

暴力と差異―ジラール、デリダ、脱構築 (叢書・ウニベルシタス)

暴力と差異―ジラール、デリダ、脱構築 (叢書・ウニベルシタス)