若者が《社会的弱者》に転落する

 出たときは衝撃的だったのにいま読むと当たり前すぎるというか、旧聞に属するような話になってるな。当たり前か。

1,学校教育制度の拡充と青年期の登場。モラトリアム期間の延長。独身貴族・パラサイトシングル、親との同居。離家の遅れ:フリーターと未婚現象。仕事・余暇両立志向。ヨーロッパの現状。少子化労働市場の逼迫。若者の社会的弱者への転落。
2,日本の特徴は家族と会社によって社会保障が担われるところにある。ポスト青年期、パラサイトシングル。労働市場の変化、雇用携帯の多様化・不安定化、リストラ・就職難。教育現場の混乱。若者の社会的地位の変化。家族形成上の変化(晩婚化・非婚化)と若年労働市場の変化。
経済:ヨーロッパにおける産業構造の変化は若年の経済的困難へ。親世代も。年齢と社会的地位の関係、青年期と子ども期、成人期との区別が曖昧に、青年期の長期化。パラサイトシングル現象。若者の自由の拡大と親への依存の長期化。結婚制度の変容。多様なライフスタイル。リスクが若者に。「福祉国家の変容」。社会的支援先の家族の機能不全。学校による就職斡旋の機能不全。教育費。教育効果が親の投資に見合わなくなった。しかも、晩婚化。若年層の所得停滞。親子世代の格差の増大。
心理:「社会への完全な参加」から「消費者シティズンシップ」。メルサ−。新しいモラトリアム。青年期の価値の上昇。消費市場における自己実現。現実社会からの逃走。労働市場、結婚市場への参入の困難。問題解決の私化。自己選択・自己責任。
結婚:晩婚化・非婚化、家族の結合のゆるさ。少子化独立のコストの高まり。新しいモラトリアムにおける消費的ライフスタイル。局外者意識、性的役割分業が明確でないと、結婚を回避する方向に動機づけがはたらきやすい。対等な共働きは限定的。結婚は一人分の所得を失うことになる。女性の方が結婚を回避しやすく、男性の方が伝統的な意識をもっている。性役割からの逃走。親子関係を支える基盤の崩壊。
3,合計特殊出生率の低下。晩婚化だけでは説明できない。子育ては苦労な仕事。子育て不安。家庭における教育の価値が増大する一方、核家族化で多様な経験を提供できない。父親不在、とりわけ母親の責任の増大。新しい消費市場と情報環境に接した子どもの個人化。離家の遅れ。親の責任と子ども中心主義。欧米のホームレス、日本の家庭内問題。フリーター。子どもの生活に根っ子を社会にはやす。家庭の役割。労働教育。家計の構造の変化。消費の主体になった子どもと友達親子。
4,高学歴社会。選挙権、国民年金への加入を伴わない。成人したときに得られる権利と負うべき義務が形骸化している。教育のコストは本人負担で。学生の仕事を職業につなげる。若年男女と中年男性のシティズンシップの格差。若者に試行期間を与える。包括的青年政策の必要性。スウェーデン
 

若者が『社会的弱者』に転落する (新書y)

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いまとなっては導入にはこの二つとデータにあたる方がいいかな。

若者はなぜ大人になれないのか―家族・国家・シティズンシップ

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若者と社会変容―リスク社会を生きる

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