放っておくと呆然とテレビに見入ってしまうので(だって、こんなに人が死んでる)、とりあえずふつうにならねばということで、それ以外のことをしようと努力している*1。さしあたり、地震の前にやりかけていたことを片付けることにして、この本を読了。いくつか気になった知見をメモ。
16-17世紀は婚姻革命とでも呼ぶ時代であり、有配偶率が高まり、出生率が上昇する。つまり、誰もが結婚するのが当たり前の時代になってきた。その背景には、名主経営が解体して小農経営へ移行する過程があり、その結果、世帯の規模が縮小し、それが人口成長に結びついた。太閤検地等はこうした趨勢に棹さす政策だったと考えることができる。
18世紀の人口停滞は寒冷気候が一因となっている。のみならず、農村における生活水準を維持し経済発展を可能にする為に、産児制限(堕胎・間引)や晩婚化で人口調整が行われた。また、都市は、農村と比べて出生率が低い一方、死亡率が高く人口再生産力が弱かったため(疫病等)、周辺の農村からの人口流入が必要であり、人口調節装置の役割を果たしていた。
- 作者: 鬼頭宏
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2000/05/10
- メディア: 文庫
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