「つながり格差」が学力格差を生む

1,高度経済成長期は都市部と農村部という地域類型別学力格差よりも都道府県別の学力格差が大きかった。「都鄙格差」。が、以降この差は同和地区をのぞけばかなりならされた。
学力低下は学力格差の拡大に由来する。文化階層や基本的生活習慣のちがい。業績主義よりも富を背景とする親の願望。受験型の通塾の有無、家庭学習時間、親の学歴・収入。都市部の方が農村部より格差が大きい。単身家庭率、要保護率。
2,バーンスティン、ラリュー、ブルデュ、コールマン。家庭の影響。学校(教師・生徒)文化。ラベリング、トラッキング。オグブ。ロールモデル、コミュニティの力。
3,「つながり格差」。家庭・地域・学校のつながりを示す離婚率、持ち家率、不登校率が相関する。親と子それぞれの社会関係資本、経済資本は互いに独立に学力と相関する。たとえば、秋田、福井。北陸地域。「教え込み」「学びあい」。パトナム、ブルデュ、コールマン、ウルコック。教育投資、教育環境、子どもをとりまく人間環境。つながりの再構築、地域連携(ひとりで勉強する習慣というのはいつつくのだろう?)。
4,学校効果、不利な立場にある生徒の学力を高める。エドモンズ。力のある学校:①子どもを荒れさせない、②エンパワーメントする集団作り、③チーム力を大切にする学校運営、④実践志向の学校文化、⑤地域との連携、⑥基礎学力の定着、⑦リーダーシップ。効果のある教育委員会
5,イギリスでの変遷。オールド・レフトの教師任せの時代。サッチャー政権時代の新自由主義的な教育改革。学校選択の自由と自律的な経営。ナショナル・カリキュラムとナショナル・テスト。ブレアのニュー・レイバー。可能性の平等。学力の低い生徒、学校、地域の格付け、底上げ。他国も同様の傾向。日本の学力向上と脱落者。

「つながり格差」が学力格差を生む

「つながり格差」が学力格差を生む