やっととっかかれた。初期マルクスと『資本論』のマルクスのあいだにある断絶に異議申し立てをしようというわけですな。
マルクスとマルクス主義とのあいだに介在している懸隔について言えば、それには、歴史的諸テクストや政治的活動に付与された優位以上にもっとも深い理由があり、そうした理由は、全く偶然的なものであるとはいえ、決定的なものであることがわかるであろう。すなわち、そのもっとも深い理由とは、マルクス主義が、マルクスの哲学的思想を少しも参照することなく、それについてはことごとく無知のまま構成され確立された、という異常な事実のことである(5頁)。
- 作者: ミシェルアンリ,杉山吉弘,水野浩二
- 出版社/メーカー: 法政大学出版局
- 発売日: 1991/04/01
- メディア: 単行本
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