「いかに倫理を貫くか」、それとも「いかに自分が生きていける世界を作れるか」

 年賀状を印刷したらパソコンがいかれてしまったので、何をやっても中途半端になるだけと開き直って、仕事がらみのものはすべて放り出して、雑誌とブック・オフで拾ってきた本を読みふけった。それをいくつかピックアップ。だから、もちろん、これの前あたりからは遡って後で書いてます。
 浜松で新幹線車内に1時間半近く閉じ込められているあいだに読んだ雑誌。新幹線だと大きく報道されるけど(つまり、死んだ人のことより、それで影響を受けた人のことの方が問題なわけよ)、この年末こういうの多かったんだろうな。それはともかく、特集の「自民党は自然死を待つのか?」もなかなか面白かったのだが(ボクは自民党は半ば死体だと思ってますが、この先、どうなるんでしょう?)、年末のお楽しみは高橋源一郎斎藤美奈子による「ブック・オブ・ザ・イヤー」なのだ。今年の文学作品の傾向を「いかに倫理を貫くか」と「世界を作る物語」に分けて、源ちゃんはこうまとめる。

これがある意味対照的でね。どっちがいい悪いということではなくて---世界が終わりそうになったときにどうふるまうべきなのか。「私は世界が滅ぼうとも倫理を守っていく」という立場もあるし、「いや、滅んじゃしょうがないんで、とりあえず生きるぞ」という立場もある。というかギリギリまで追い込まれると、選択ってどちらかしかないんだよ。

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これは逆に言うと、そこまで追い込まれてるってことでしょう。今まではそんなことまで問われなかった。もっと他のことを、テーマにできた。たとえば、内面のことを考えるとかさ。でも、それは余裕があるからできるんだよね。生きるか死ぬかの問題じゃないじゃん(129頁)。

SIGHT (サイト) 2009年 02月号 [雑誌]

SIGHT (サイト) 2009年 02月号 [雑誌]

いやー、納得。ところで、思うんだけど、この両派が激突したらどんなことが起こるんだろう?