Lions for Lambs

 映画の日に見たのはふだんなら行かなかったかもしれないこれ。大した入り。この作品、内容はまったく違っているけれど、問題の構図はある意味で『歌わせたい男たち』と同じ。ロバート・レッドフォードは『大統領の陰謀』(1976)でダスティン・ホフマンと共演する一方、その前年には『コンドル』(1975)というスパイ映画に出ている。この作品のなかで、レッドフォードは命を救われた殺し屋にヨーロッパへ逃げようと誘われるのだが、それを断ってアメリカに留まった。そのレッドフォードが、いまではこの『大いなる陰謀』で凡庸な大学教授役として出演し、監督もしている。そこで彼がアメリカをどう語るか?この懸隔に複雑な思いを抱かざるをえない。ちなみに、Lions for Lambsは『大いなる陰謀』の原題。絶対に原題の方がいい。誰がLionsで誰がLambsなのか?

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