なぜかジャネット

 最近、ブック・オフで250円のCDを買って何をいまさらなことを知るのが結構たのしい。今回は、ジャネット・ジャクソン。いまさら80年代のヒット曲なんてあまり聞いてみようなんて気にならないのだが、改めて聞いてみようと思ったのは、これを読んだせい*1。で、棚にあったRhythm Nation 1814とjanet.を買って聞き比べて見ようという趣向。当時は、ヒット曲としてしか聞いてなかったから、ラジオで聞いたりヴィデオクリップを見ただけで、CD(当時はもうCDだったんですね)を買おうなんて思わなかったし、ましてや歌詞なんて気にしたことがなかった。でも、歌詞を読みながら聞いてみておどろいた。
Rhythm Nation1814(1989年)の一曲目Rhythm Nationの歌詞はこんな感じ。長いから最初だけ。

With music by our side
To break the color lines
Let's work together
To improve our way of life
Join voices in protest
To social injustice
A generation full of courage
Come forth with me

 え、この曲、こんなこと歌ってたの?これでWe are a part of Rhythm Nationと来られれば、One Nation under a Grooveみたい。この曲のベース・ラインがスライ&ザ・ファミリー・ストーンの「サンキュー」のぱくりであることには、ある種の必然性があったわけだ*2。もちろん、ラヴ・ソングもあるけど、We are in a race between education and catastropheなんてインタルードが入ったりして、ただのポップスだと思ってたら大間違いでした。でも、一枚フルで通して聞くのはちよっとしんどかったです。この辺りが80年代のつらさだろうか。

 それから、これでマイケルを抜いたと言われているjanet.(1993年)。これ、愛の歌が中心なんだけど、ここではその背景をなすと言ってもよさそうだし、Rhythm Nationとの対比にもなるnew agendaを取り上げてみる。タイトルだけでわかると思うけど、明らかにRhythm Nationとは立ち位置が違っている。こっちもちょっと歌詞を抜粋してみると、
history hiden from me
to hide my identity
so i'd never feel
i am somebody

    • -

it's time to know the truth
our time has come rejoice
a new agenda's due
because of my gender
I've haerd "no" too many times
because of may race
i've heard "no" too many times
but with every "no" i grow in strength
that is why
african american woman
i stand tall with pride
 
 ここでは、女であること、そして黒人であることが、よりプライベートかつリアルに肯定されているように思える。パブリック・エネミーのチャックDと共演してるし、明らかにマイケルとは違う道を行くよというわけですな。と、同時にそこにある種の時代の変化も感じたりして。音楽的にも『コントロール』『リズム・オブ・ネーション』『ジャネット』とどんどん洗練されてるのは間違いない。

Rhythm Nation 1814

Rhythm Nation 1814

Janet

Janet

*1:

聴き飽きない人々

聴き飽きない人々

*2:ちなみに、どっかでブライアン・イーノが、スライのこの曲は、歌よりベースを聞かせてみせたという点で革命的だったとか誉めていた。個人的なことも書けば、高校生当時のボクは山下達郎の『サンソン』でこの曲を聴いてぶっとんだ。でも、当時、スライの国内盤って全部廃盤だったのよ。ホントに現在との音楽事情の落差は大きい。それはともかく、やっとこさっとこ輸入盤の『アンソロジー』を見つけ(もちろん、レコードです)、死ぬほどききまくったことは言うまでもない。

アンソロジー

アンソロジー