高齢者にとって自家用車のニーズとは何か?

 人をコケにしているとしか思えないやり方に思わず唖然とした。こんなことを指摘されたのだが、まったくその通りだと思うのでここに再録する。
 さっきながれたテロップによれば、東京都では、警視庁の呼びかけで、65歳以上の高齢者が自動車免許を自主的に返納すれば、金融機関で定期預金の利率が上乗せされたり、有名ホテルのレストランで割引が受けられたりと合計30以上の特典を受けられるようにして、運転免許自主返納制度の周知をはかるそうな(ネットにまだあがってないみたいだし、詳細の確認はまだです。後でリンクをはります)。
 しかし、このやり方はおかしい。たしかに、年齢的な体力の衰え等から車を運転すると危ない高齢者がいるかもしれないというのはその通りなのだろう。だが、それならば検診や再教習試験を課したりして調べていけばいいことだ。
 なぜ高齢者が車を利用せざるをえないのかをまったく理解していないのではないか?なかには、通院等で車を使わなければ移動できない人だっているだろうし、重い荷物を持つ代わりや日常的な買い物をするために車に頼っている人だっているだろう。とりわけ、公共交通機関が組織されていない地域ではそうだ。あるいは、お年寄りにとって地下鉄の乗り降りがどれだけ骨の折れることか分かっているのだろうか?
 そもそも、これで返納する人は、もともと車を使わなくなっている人であり、車を必要としている人は、たとえ自分が不安を抱いていたとしても、返納できないのではないか?
 必要なのはあめ玉みたいなサーヴィスではない。日常生活で気軽に使えるタクシー券を配布した方がよっぽどましだ(三越の配送料無料というのがあるようですが、サーヴィスにタクシー割引が入っているかは不明)。それに、賛同してる企業って集客効果を見込んでるからでしょ?巣鴨信用金庫の利率上乗せってなにそれ。