『病院でつくられる死』

 このゴッフマン流の記述とエスノメソドロジー的記述の入り交じった本、エスノメソドロジーの成立過程をみるうえでとても面白い本だと思うのだが、今ならどのような評価を受けるのだろうか?下のような書き方はとても微妙な気がする。一方で、役割距離にからんでくるような記述も多い。ところで、原書を発掘できないのだが、原題はpassing onなんだよね。

病院の中で起こる日常的な出来事としての死は、それが一事例として収まる何らかのカテゴリーを通して注目されるものとなる。そして、このようなカテゴリー化は専門毎に独立した病棟の中にすでに所与としてあるか、それとも専門病棟の性格から直接死のカテゴリー化が用意されていない場合に、そこで起こる死を特徴づけるために一連のカテゴリー化の操作がなされるのである(74頁)。

病院でつくられる死―「死」と「死につつあること」の社会学

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Passing on

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