ある意味、分かり切った話でもあるのだが、知らないこともあったし、それを自分より若年の論者にここまで言い切られるとお見事というか面白かった。たとえば、「領土問題は、ポツダム宣言受諾からサンフランシスコ講和条約に至る一連の二本の戦後処理の根本方針によって規定されざるを得ない」。で、背景にあるのは米国の存在なんだよな。竹島問題がいちばん分かりやすい。李承晩ラインを黙認した米国とサンフランシスコ条約で竹島を日本領とした米国。三つの領土問題は米国が東アジアにまいた諍いの種だと言ってもいい。そして、この話が最終的にいきつくところは日米安保条約だ。憲法を問題にしても、安保は問題にしない不思議ってあるよね。それで戦後レジームの脱却と言われても。しかし、この本の議論が最終的におちつくところは丸山眞男。
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