こちらも話題の人(?)。水野和夫氏の本で手近に入手できたものを読んでみた。うむ。「所得の低下は、---、実際には先進国の交易条件が悪化したということが最大の原因」(26頁)。で、交易条件の悪化によって金融経済化が進行すると。71年のドル・ショックもここから説明されるのか。でも、大恐慌やブラック・マンデーの話はでてこないな。
中世封建制から近代資本制の移行過程で生じた利子革命から覇権国の変遷がなされるとにかく、覇権国は実物のもとで利潤率をあげるが、それが利子率が低下していくにつれて金融経済化していきバブルを向かえ、覇権交代が起こると。。しかし、イギリスの地主の説明はこれでいいのかな。
現在はこの金融経済化が全面化しており、こうなるとベースマネーを増やしてもインフレにはならず株価の上昇(バブル)にしかつながらないと。最後にあらためて、「結局デフレというのは、資源価格の高騰による構造的な問題と考えていいわけですね」(198頁)。大きな話と細かな明らかな間違い(たとえば、ギリシアと日本を比べるのは違うでしょ?)とあってどう評価してよいやら。とりあえず、一時期、石油価格の高騰が問題になっていますが、いま石油価格が急落しています。そうするとどういうことになるのでしょう?
- 作者: 水野和夫,萱野稔人
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2010/11/17
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