中国思想史

 前漢で、経学は魯学から董仲舒を経て斉学に転じる。焚書坑儒の結果、前漢では口述をもとに経学がなされたが、旧本が発見され、後漢の経学は古文学と呼ばれ、経義の統一がはかられていく。三国時代には老荘学が全盛を見るが、これは仏教の影響を得るところが大きく、そこから道教が成立してくる。隋唐期に仏教は天台宗から唯識論、華厳経へと変遷して行く。その後、禅宗が入ってくる。
 他方、韓愈の従来の経学批判を端緒として、さらに道教華厳経の影響を受けて宋学の流れがでてくる。欧陽脩は経書批判を行い春秋を評価し、司馬光資治通鑑をあらわす。その大義名分論神皇正統記に影響を与えているのか。で、朱子がでてきて宋学が完成する。それに陸象山が別派をたて、明学としては陽明学の流行につながる。清学は基本的に宋学を継承するが、黄宗羲らにより考証学が盛んとなり、かえって程朱の学が批判されることになる。ここに戴震が出てくることになるわけですな。
 通史を二つ読んで思うに、一つは知っているところは知っていて知らないところはほとんど知らない。他方は、全体的に薄くは知っている。そうすると、通史から得られる印象もまた変わる。結局、通史をどれだけどう読み、どう使えるかは本人の勉強次第だな。ま、最初はある種の辞書代わりとして使うことになるかな。で、知識がついてくれば通史そのものの評価もできるようになるかもしれない。