倫理学
で、『倫理学』にもどってみるのであるが、ここでは「国家はいかに単純なものといえども自覚的な総合的な人倫組織としての統一的構造を持っている」(137頁)とあるな。そうした、国家が他の国家にたいして自らの独自の存在を自覚するところに「歴史」が生まれる。しかし、この時点でもう主権者の人格とか言ってるな。「国家の自覚が他の国家を媒介とするように、歴史の自覚は国家を形成せる他の民族と接触してさまざまなお興奮や棄権を経験する際に起こるのである」(146頁)。しかし、ここでは「古事記」は抜いてあるな。
それはともかく、ここまで言ってる。で、そこから歴史学が生まれると。
人間存在の過去的内容は、人間自身がそれをいかに把握するかに関係なく、それ自信において存立しているというごときものではない。それはただ人間自身の把握において人間存在の内容となっているのである。従って把捉の仕方の発展は同時に過去的内容のつくりかえとならざるを得ない(158頁)。
で、
かく見れば人倫的組織の人倫的組織としての国家が歴史に選択的総合の規準を与え、それによってまず「国家の歴史」が、すなわちいわゆる「政治史」が作られたということは、理の当然なのである(169頁)。
と述べた上で、
このように人倫的組織の構造連関が生の範疇に変わって、あるいは生の範疇そのものとして、歴史の理解を導き、それに客観的妥当性を与えるのであるとすれば、人倫的組織の構造連関を明らかにしようとする倫理学こそ、まさしく「歴史的理性の批判」の役目をつとむべきものとなるあであろう(169頁)。
ということで倫理学の出番が来る。
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