鶴見和子・市井三郎編『思想の冒険』

 のちに不知火海総合学術調査団の中核メンバーになる近代化論再検討研究会の共同研究の成果。とりあえず前半。いま読むと文革臭がいやはやなのだが、市井三郎の言う「責任を問われる必要のない「不条理な苦痛」」(47頁)という概念が気になる。市井三郎というと『水俣の啓示』のあれなんかでなんとなく読んでこなかったのだが、これ、J・シュクラーの「不正義」をめぐる議論を思わせるものがある(って、これ以前誰かに指摘されたことがあるような気がするのだが---)。ともかく、『歴史の進歩とは何か』(岩波新書)を見つけてくる必要があるみたい。

思想の冒険―社会と変化の新しいパラダイム (1974年)

思想の冒険―社会と変化の新しいパラダイム (1974年)

歴史の進歩とはなにか (岩波新書 青版 800)

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The Faces of Injustice (The Storrs Lectures Series)

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