源了圓『義理と人情』

 今週末に合間を見ては読んでいた本。『日本の村』を読みながら、ムラに親和的な道徳意識がどんなものかを簡単に考えてみたけれど、自分の思いつきだけじゃない根拠が欲しいと思って、手に取ったら当たり。これ、面白いよ。この道徳意識は義理と呼んでしまっていいんですね。しかも、義理とは和辻いうところの間柄の倫理だよね。

われわれがだれかとの、そして何ものかとの関係を重要視し、これとの関係を積極的もしくは消極的に維持強化しようとするとき、その関係の規範的側面が義理であり、心情のはたらきの面が人情である(30頁)。

義理と人情―日本的心情の一考察 (中公新書)

義理と人情―日本的心情の一考察 (中公新書)