今日は、夕方から映画『日本の青空』を見てきた。日本国憲法の制定過程で民間からもさまざまな憲法草案が提起されたが、そのなかで憲法研究会の草案がGHQ案に多大な影響を与えたとされている。その憲法研究会の中心メンバーだった鈴木安蔵を主人公にした作品。正直申し上げて、映画としてはかなりツライものがあるが、このあたりの事情を知るためには見てみるのもいいんじゃないだろうか。ボクとしては、ユンカーマンの下の作品の方をオススメするけれど。
- 作者: ジャン・ユンカーマン
- 出版社/メーカー: トランスビュー
- 発売日: 2005/05/20
- メディア: 大型本
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- 作者: 島多惣作,竹井正和,ジャン・ユンカーマン,松本薫,古山葉子
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映画のサイトは、ここ
http://www.cinema-indies.co.jp/aozora/
名古屋周辺での上映予定は、ここ
http://www9.ocn.ne.jp/~meisuiro/Yotei/Nihonnnoaozora.html
いずれにせよ、私としては、改憲派であれ、護憲派であれ、日米安保の問題を抜きにした憲法9条論議って、あまり意味がないと思っている。さしあたり、この点を考えるためには、以下の二つを読んでみてはどうだろう?後者については、とりわけ内田樹の論考がオススメ。
- 作者: ダグラス・ラミス
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また、特定の思想的立場から憲法について云々するのではなく、憲法そのものがどのような働きを担っているのかを考えるためには、とっかかりとして、以下の長谷部恭男の本が面白い。「人々の抱く価値観が根底的なレベルで対立しており、しかも、各人が自分の報ずる価値観を心底大切だと考えているような状況で、人々が平和に社会生活を送ることのできるような枠組みを作ろうとすれば、まず、人々の抱く価値観の対立が社会生活の枠組みを設定する政治の舞台に入り込まないようにする必要がある」(『問いなおす』59頁)。立憲主義からもの申す長谷部の議論はきわめて明晰だ。9条についてなら前者、憲法全体についてなら後者がよいのでは。
- 作者: 長谷部恭男
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- 作者: 長谷部恭男
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