久々に、なぜか韓国

 先日放送された韓国のイジメを扱ったドキュメンタリーを見た。韓国では自他を問わずイジメの報告が推奨されている。教師がすべてのイジメに責任を持ち気づけというのはどだい無理な話だし、イジメの所在を確認するにはやはり生徒たちからの報告に頼るほかはない。しかし、そのためには教師は打ちあけに足るだけの信頼を獲得しなければならないだろうし、そのためにはそれに見合うだけのコミットメントも必要になる。是非はともかく、韓国では日本では考えられないぐらいスゴイとりくみがなされているようだ。
 見ていたら、紹介された高校では、イジメを報告すると生徒はポイントがもらえるとかで密告制度に等しい仕組み採られるは、休み時間等に生徒を見て回る監視員(元・警察官)が雇われるは、イジメ防止が逆に作り出してしまう監視体制が学校に息苦しさをもたらしはしないかと考えてしまうぐらいなのだが、なんと韓国では法律でイジメの報告が義務づけられており、それでも報復をおそれて生徒がイジメを報告しないというので、こうしたやり方を考案し成果をあげているということらしい。
 また、イジメは教師か警察に報告するようにと勧めているのも印象的。イジメというとささいなことと考えがちだが、そのなかには犯罪として十分立件できるものだってあるのだ。また、イジメが露見すれば親も含めて話し合いが行われ、和解が進められる。もちろん、それでも問題がないわけではない。
 ここまでやらなければならないのかということについては議論もあるだろう。だが、見ていて少なくとも言えるのは、ここまで子どもたちを守るという態勢を布いて、やっと子どもたちがイジメを打ちあけてくれるようになるのだとしたら、いじめを見過ごした教師をしばくぐらいじゃどうにもならんでしょうということだ。周囲の大人がいじめられている子供を断固として守るという姿勢を示すことができるような仕組みがなければどうにもならないみたい。そうすると、前回の発言だって甘かったかな。