2008-01-26から1日間の記事一覧

平田清明『市民社会と社会主義』

個体的所有のおさらい。私人と個人は異なる。「「個人」とはたんにバラバラな人間であるのではない」(137頁)。「個人は、共同体の始源的存在を前提にするのである。そして、この私的な、つまり排他的な個人は、直接に相互に対立しあいながら、じつは、最も…

住谷一彦『共同体の史的構造論』

住谷一彦も日本の村落共同体を「同族階層制」「年齢階層制」「世代階層制」に分けて、桜井とよく似た問題設定を確認している。もっとも、だからそれだけ解体しやすいという話になるのだが。 このことは、また多くの場合こうした「年齢階層制」村落が漁村にみ…

神島二郎『近代日本の精神構造』

神島二郎は、自然村に相当する〈第一のムラ〉と〈第二のムラ〉を区別する。〈第二のムラビト〉とは、〈第一のムラ〉の秩序意識を身につけた、学校出身者や出郷者のことであり、彼らが〈第二のムラ〉を作る。 このような自然村的秩序が、〈第二のムラビト〉に…