国防政策が生んだ沖縄基地マフィア

 この手の本、どこまで真に受けてもいいのかという話はあるけれど、まあ当然ながら基地がらみのお金をめぐって暗躍する人たちがいるわけですね。つまり、利権がからんでる。たとえば、普天間飛行場辺野古移設について、名護市がももっと沖合に出せと要求したのは、それだけ砂利を使って埋め立てを進めなければならないから実入りも大きいと。そして、政府案をベストと信じる守屋元防衛事務次官の更迭を望んでいたと。2008年の米兵による少女暴行事件では大規模な県民集会まで開かれたわけだけど、名護市議会はこれを無視したそうな。仲井間知事は、「知事を励ます会」を15分ほど中座して、謝罪しにきた米軍の調整官に握手までして見送ってると。で、もっとも推進派内部でも内紛があり2014年名護市長選では推進派が分裂しそうになる。稲嶺氏が再選、で、翁長知事の登場となる。基地マフィアが衰退する一方で、「オール沖縄」の流れができる。基地撤去の工事をしたいという土建屋さんもいるんですね。最後のインタビューは面白い。
なお、「基地の被害を直接受けるのは辺野古、そのことで利益を得るのは名護中心部という構図、射程を広げてみると、沖縄と日本(東京)の構図にもつながる」(135頁)。

国防政策が生んだ沖縄基地マフィア

国防政策が生んだ沖縄基地マフィア