トマ・ピケティの新・資本論
『21世紀の資本』を想定しながら期待して読むと、かなりの部分が期待はずれになるのかもしれないが、ヨーロッパやフランスの経済事情や経済政策について分かるので、クルーグマンを読んで米国の事情を知りながら、日本について考えるように、フランス、ヨーロッパについて知りながら、日本について考え、あらためて『21世紀の資本』を読む素材になるのではないかと思う。ちなみに、アベノミクスの少なくとも一本目の矢については、この本を読んでもそれがおかしいという話は出て来ないと思う。日本でのフランスでも左派って駄目なので。むしろ、この本のなかでいちばん繰り返されているのは、ユーロのもとで17カ国のの異なる金利の国債が発行されている状況では、単一通貨は機能しないという問題だ。ピケティは代わりに共同債の発行を提案している。
- 作者: トマ・ピケティ,村井章子
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2015/01/23
- メディア: 単行本
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