憲法制定会議代わりの帝国議会は、様々な思惑のうずまく議論の場であったわけですね。「主権」概念の採用を忌避に対するGHQとのやりとり、日本国民の要件を定める10条の挿入、中等教育までの義務教育の無償化。一方で、芦田修正についてはその存在自体に疑問符がつく一方、この文言操作により自衛のための武力保持の可能性が容認されかねないことを当時、すでに極東委員会は気づいていたこと。そこで、文民統治の状況が入れられたこと。憲法発布にともなう大逆罪・不敬罪をめぐるやりとり。そして、極東委員会は施行後2年間のうちに憲法を再検討し、憲法改正の機会が国民ならびに国会に付託されることを認めている。しかし、大勢は改正の必要を認めなかった。となれば、つまり、これはやはりただの「押しつけ」ではなくなる。ちなみに、GHQが憲法改正を急いでいる最中、「憲法の全面的改正」の詔書が出されている。これは天皇の退位を押さえ込むためであったろうと、つまり、ここでもマッカーサーと政府は同衾しているんだな。
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