まあ、さっさと読み終えましたよ。しかし、刀狩りがいまでは違った評価を受けるであろうな。また、明まで射程に入れた秀吉の朝鮮侵略が軽く扱われてる。それはともかく、これつまるところ、新大陸の発見を始めとするキリスト教の布教史みたいな記述であって、それが念入りに書かれていくのはよほどのことと思うのだが、落としどころは結局こういうことになる。ヘンリ王子を皮切りにスペイン、ポルトガルによる世界的視圏の成立過程をふまえたうえで、鎖国を「これらはすべて世界的視圏をおのれのものとなし得なかったことの結果である」(292頁)としめくくる。しかも、それはもっぱら為政者によると。他はなにもないのね。
ところで、鎖国というのはきわめてネガティヴな国民性ととらえるようになるありがちな話と和辻のこの議論はどのように連動しているのだろう。しかし、和辻は本当にこれで話がすむと思っていたのだろうか?ちなみに、この話に天皇の出番はない。
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