すっごい久々。多分、スクリーンで見るのは初めて。おそらく映画にちりばめられた主題のようなものを自分が初めて意識するようになったのがこの映画になるんじゃないかな。この映画、あからさまにニーチェの『悲劇の誕生』なのだ。まあ、原作からしてそうだからね。
もともと、マーラーがモデルだと言われているトーマス・マンの原作では作家にしてあった主人公を、あえて音楽家にして、それも「グスタフ」とまで呼ばせて、おまけにディオニソスとアポロまがいの音楽論を戦わせるシーンまで用意して、最後は「病気としての生」。で、かかるのはロマン派のパロディと言ってもよさそうな盛り上がりそうで決して盛り上がらないマーラーの5番。
当時、すごくわかりやすいと思った(ヴィスコンティ作品にはそういうのもある)。あらためて見たら、細かいところには発見もあって、たとえば、映画のなかで主人公は自分自身に出会ってたりするのに気づいたりしたけど(「この臭いは何だ」)、正直のところ、ちょっと長くて退屈した。世間的な評価としてはどうなのでしょうね?とはいえ、この男の子、確かにかわいいな。ストライプの水着がよく似合う。ヴィスコンティ好みだったんでしょうな。
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あわせて、この本を読んで(とてもよい本です)、
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(追記)まったく同じ枠組みで「オペラ座の怪人」が理解できます。なんでオペラ座の地下に怪人が住んでいるのでしょう?