ダンシング・チャップリン

 ローラン・プティの演出作品「ダンシング・チャップリン」を映画化するまでの経緯を映したドキュメンタリーと実際に映画化した作品の組合せ。前半のドキュメンタリーでは、監督とプティのやりとり(はじめてプティを映像で見た)やダンサーたちのやりとりも面白いのだが、何よりもスゴイのはプティが自分の演出した作品の映像を見て涙するシーンを捉えてしまったことだろう。
 後半は、チャップリンを素材にした以上は(?)プティの演出自体がとても映画的になっていることを確認してしまう一方で、それが映画になっている。草刈民代は生で「ピンク・フロイド・バレエ」を見た時よりもいいんじゃないかと思う。そして、チャーリーの終わりはやはりこれだよね。久しく忘れていた世界に触れたような気がした。