ふりかえるにこの本、どれほど熱心に読んだかいささか疑問。長いから類型の羅列にいささか退屈するし、訳文を原文と丁寧につきあわせていないし、繰り返しページを括った記憶もあまりない。しかし、読み返してみるに、ここで行われている議論って想像以上に重要ではないか。この点では、ブルデュー先生は正しいかも。で、かれは一体この本のどこを評価していたんだっけ?
『アサイラム』からみると『日常世界の自己呈示』は裏『アサイラム』の延長にあるように読める。『日常世界の自己呈示』は何となく博論の延長のイメージで考えていたが(コピーを入手したまま行方不明の博論も読まなければだめらしい)、この本が刊行される頃にはセントラル病院でフィールドワークが行われていたわけであり、二つの関係を考えるのは当然のことだろう。ちなみに、相互行為儀礼の論文の方はそれ以前から断続的に書かれている*1。仕方がないから二週目に突入するか。
- 作者: E.ゴッフマン
- 出版社/メーカー: 誠信書房
- 発売日: 1984/03
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Asylums: Essays on the Social Situation of Mental Patients and Other Inmates
- 作者: Erving Goffman
- 出版社/メーカー: Anchor
- 発売日: 1961/10/18
- メディア: ペーパーバック
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*1:伝記的事実を考えるときはこの本が便利なんだけどでもなんだかなーという感じもする。内容はすっかり忘れていたし、また読んでも内容がアタマに残りにくい。ただ、原書の目次を見てると原書は欲しくなる。 Bateson - Primer Inventario de Una Herencia