証拠の改竄だけが問題ではない。

 たしかに、検察が証拠を改竄したら、そんな恐ろしいことって話になるのだが、ちょっと待ってくれ。新聞報道によれば(本日付『朝日』夕刊)、この主任検事、検察のエースと言われながらも、その手法はかなり問題があったようだ(どんなパーソナリティなんだろうとちょっと考えてしまう。言い訳もすごいし)。でも、検察はそれを容認してきたわけで、いわば立件できればそれでも---ってことでこの検事をこれまで活用してきたんじゃないの?それから、もともと事件のシナリオを描いて取り調べるという検察の手法がまかりとおる背景があるうえに、起訴したら必ず有罪(99%でしたっけ)というシナリオもあるわけですよね。そうすると、ある意味、この主任検事は検察のシナリオ通りに取り調べを「進めようとした」いわば《優等生》だといっていいんじゃないかしら。なんだかこのままだと、このえん罪事件が、検察のやり方そのものではなく、捜査にかかわった検事一個人の問題として片付けられてしまいそうで気持ちが悪い。検察はこの件をどう深刻に受け止めるのでしょう。あら、逮捕されたらしい。同時に控訴断念が発表されましたよ。


(追記)
 この件についてはどんな調子で取り調べが行われているんでしょうね。取り調べの透明性を高めるにはよい機会では?