エリアス『定着者と部外者』

 で、最後は相対配置cinfigurationの話でまとめられることになる。『参加と距離化』も読まなきゃ駄目だな。

「社会」、あるいは、さほどあいまいでないかたちで表現すれば、個人が相互に形成する相対配置は、相対配置を形成する個人に対していくぶん権力を行使し、個人の自由を制限するという思想に対して、ある種の嫌悪感が存在している。しかし、われわれの願望がどうであれ、利用可能な証拠を単に見るだけで、相対配置が個人の決定の範囲を制限し、多くの点で強制力ーたとえこのしばしば個人の外に存在しているように見える強制力が、個人の外に存在するのではなく、単に個人間の相互依存に起因するとはいえ、ーを行使するという認識からわれわれは逃れられない。個人から成る相対配置が相対配置を構成する個人に対して強制力をもちうるという事実に単に言及することによって、またこうした事実に直面することによって、われわれは人々から不思議にもその自由を奪うかもしれないという恐怖は、この強制力を人間が減じることができない要因の一つである。というのは、その性格をよりよく理解してこそ、われわれはそれに対する抑制力をいくぶん獲得すると期待することができるからである(256頁)。

定着者と部外者―コミュニティの社会学 (叢書・ウニベルシタス)

定着者と部外者―コミュニティの社会学 (叢書・ウニベルシタス)

参加と距離化―知識社会学論考 (叢書・ウニベルシタス)

参加と距離化―知識社会学論考 (叢書・ウニベルシタス)