個人情報の二次利用

 たしかに、無用な勧誘電話は減ったけど(でも、まだある)、個人情報保護法って一体何の役に立っているのか疑問に思うところがある。大学じゃ学生の名簿作ることすら腰が引けてできないのに*1、商業上得られた個人情報の二次利用に関してはきわめてゆるい。それなのに、総務省が一定の条件付きで、サイトのアクセス記録を使って広告を流すことを認めるらしい。人権(プライヴァシー)よりは商売/経済の方が大切だということですな。

http://www.asahi.com/digital/internet/TKY201005290356.html

 同記事によれば、積極的なのは総務省で参加者の間では慎重論も強かったのだが、『利用者の合意があれば良いのでは』という意見に反対する法的根拠が見つからなかった」だそうな。それよりも、個人情報の商業的二次利用の実態がどんなことになってるかを調べてみるべきではありませんかね。アマゾンのおすすめぐらいなら気持ち悪いですむけれど、たとえば、ネットを引くだけでいくらでもヒットするOCN/NTTコミュニケーションズのしつこい詐欺まがいの勧誘がなぜか放置されている*2。同意があればっていうけど、それでどんな勧誘活動が行われるかなんてわからないわけだし、某プロバイダーの社長は「プライヴァシーの侵害目的だと誤解されたらアウト」「自主規制が必要」ってコメントしてるけど、目的の如何にかかわらずプライヴァシーを侵害する過剰な営業活動はすでに行われているのだ。

*1:私が知っている小学校では、連絡網を作れないのをよいことに個別対応と称して父母を分断して、父母からの苦情を事実上シャット・アウトしている。それで、ろくな対応もしないまま授業崩壊状態、担任うつ気味というクラスの問題状況がなかったことにされた。そして、この一件を誤魔化しきった教頭は翌年転出して校長になった。

*2:http://d.hatena.ne.jp/Talpidae/20090226