サイモン&ガーファンクル

 一度でいいから生でポール・サイモンを聞いてみたいなと思っていたら、ガーファンクルとそろってやってきた。ドームでやるのが嫌だったけど、しかも席は売れ残っていた、聞きに行くことにした。でも、正直言って不安だった。二人、とりわけガーファンクルに昔のような声が出せるとは思えなかったのだ。そして、当然ながら、かつてのハーモニーを期待するのはいささか酷だった。ちょっとハモるのがしんどそうにしている感じもした。でも、コンビ解消後唯一の共演曲である「マイ・リトル・タウン」なんてわりといけてたと思うんだけど、この曲へのリアクションはあまりなかったな。それぞれソロのコーナーもあったけど、80年代のポール・サイモンの曲へのリアクションもあまりよくなかった。演奏も歌もよかったのに。そこまで、サイモン&ガーファンクルじゃないと駄目なのかしら。

 で、「明日に架ける橋」をやることになる。この歌、一番と二番はアート・ガーファンクルの独唱で、3番の出だしでポール・サイモンの声がそれに重なり、最後にまたアーティが一人で歌うという構成になっている。で、あの歌詞の内容だから、これは二人の別離と永遠の友情を確認した歌なのだ。今回、一番をアート・ガーファンクルが歌った後に、二番を歌ったのはポール・サイモンだった。あー、やっぱりアーティは声が続かないんだなと思った。でも、それで三番を二人が歌い始めたとき、昔のキーのままではなかったのかもしれないけれど、これはあのハーモニーだと感じた。やっぱり聞かせてくれた。その後、アンコールは続いたけれど、ボクにはあそこがこのコンサートの最高の瞬間だった。

サイモン&ガーファンクルのすべて

サイモン&ガーファンクルのすべて

 知らない方向けに、一応ベスト盤をあげておきましたが、基本は全部で5枚ですから---。ベスト盤も、たしか、セントラル・パークのライヴと2枚組になったCDが出ていたような気がするんだけど。