『発達障害の子どもたち』

 高名な著者による啓蒙書。とはいえ、中身は濃い。この手の知識を手に入れる本としてはまずこれという感じではないだろうか?ボクとして印象深かったのは、遺伝的要因ばかりでなく、早い段階で対人関係の基礎をどこまで築けるかがけっこう肝心だという点。迫害体験等のもたらす不適応障害を考慮すると、必ずしも養護学級から始めることをネガティブにとらえない。また、またそのためには自己認識を尊重するといったあたり。「発達障害の治療においてもっとも必要なことは、障害に関する正確な知識を提供し、新たな自己認識を手助けすることであると思う」(120頁)。

発達障害の子どもたち (講談社現代新書)

発達障害の子どもたち (講談社現代新書)