ロルナの祈り

 また映画ばかり見ていた。タルデンヌ兄弟の新作。彼らの作品は主人公にたいして独特の距離感をおいているように思うのだが、今回はちょっと違う感じがした。以下の引用はパンフレット中のインタビューから。持ち上げられているラストだが、ボクはあれでいいんだろうかと思ってしまった。

ロルナもクローディも、彼らの行動にはそれほど自由の余地がなく、彼らの行動は社会的な立場によって既に決められている。でもそこで語られるストーリーの中で、彼らがどのような選択をするかによって、結果は変わって、違う事態が起きるようになるんだ。そして、その過程を少しずつ経て、彼らは他者にたいして注意を払うようになっていく。彼らはもともと、他者に注意を払うと自分たちの生活が危うくなるので、そうしていないだけなんだ。僕たちが描こうとしているのは、彼らが他者に注意を払うようになるというストーリーだよ。